ゲントの祭壇画とピアノの調べ [芸術・美術]

「美の巨人たち」と言うTV東京の番組をご存じだろうか?

多分、視聴率はあまりよくないと思うのだが、毎回1枚の絵(作品)にスポットを当て、その1枚に無理込められた秘密や想いを深く掘り下げる、なかなか良質な番組がある。

毎週録れる時は録って、適当な時にランダムに観ているので、直近の回ではなく、少し前、4月ごろの放送分だと思うが ファン・エイク兄弟「ゲントの祭壇画」がテーマだった。
なんでも、初の油絵の大作であるにもかかわらず、未だに科学的な研究にも関わらず彼らが油に何を混ぜたか解明されていないことや、その当時他の作品では見られず、後の時代のダ・ヴィンチやモネなどが使っている技法が使われていたりと、謎が多いらしい。
また、透明の油を着色した上に塗り込めるなどにより、王冠などの宝飾が極限までリアルに描かれている。

この絵はベルギー・ゲントの聖バーフ大聖堂にあり、以前観に行った事がある。
にもかかわらず、「なんだ?そんなこと知らなかったぞ?」である。
そして当然「どうせならこの番組を見てから観たかった」と思った。
しかも、この絵は今年いっぱいで大修復に取り掛かりしばらく見れないかもしれないそうだ。

と、言うわけでせっかくなので観に行くことにした。
Gent1.JPG

ドイツはどんより曇り空だったが、車で2時間半。
ゲントは快晴であった。
と、なるとまずはちょっとワインでも・・・と、一息ついて、いざ聖バーフ大聖堂へ。
やはりそういったことを知った上で鑑賞すると、感動もひとしおである。

そして何よりも、「ゲントの祭壇画」はやっぱりゲントにあるのがよい。

さて、大聖堂へ行く前にワインを飲んでくつろいでいた時、どこからともなく美しいピアノの音が。
音のする方へ歩いてみると、河の上に浮かべたボートの上でピアノを弾いているではないか。
それを椅子に座って聴いているおばあちゃん、ベンチの上でチェスをしながら聴いている若者、芝生の上でくつろぎながら聴いているカップル。
ピアノも本格的なもので、曲名はわからないが、本当にきれいな曲だった。
そして、何より、周りにがやがやとした音がなく、自然の音とピアノの音色だけが風に乗って漂っている世界。
なんと素敵な光景なのだろうと、もうこの景色とピアノを聴けただけでゲントに来てよかったと思える瞬間だった。
Gent2.JPG
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